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学生と読む『三四郎』 (新潮選書)

『私も一緒に「成長」できた気がします』
 《成城大学という場で、ある教授が学生たちに文学を教える行為をめぐる詳細な記述》を読むことを通じて、読者は「文学を学ぶことの意味」もっと言えば「人生を生きる意味」について深く向き合わざるを得ない構造を持った本である。

 実際に『三四郎』を「読み」始めるのは後半過ぎからであり、話の内容もいろいろな方面に飛び、良く言えばダイナミック、悪く言えば散漫ということにもなろうが、大学の講義とは元々こういうもの。学生時代を思い出しながら、非常に楽しく読んだ。

 特に一人の教育者として、学生に向けた厳しくも優しい眼差しには読みながら何回も心を打たれた。著者と同じように、登場した学生たちの将来に幸あれと願わずにはいられない。

 若干、著者の自意識の高さが鼻につくところも散見されるが、それはご愛嬌。純粋に読書の醍醐味を楽しむ意味でも、文学理論の基礎を学ぶ意味でも、有意義な教育論として読む意味でも、そして若者たちの成長物語としても、価値のある一冊である。

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