『未来の教育の道筋を照らす1冊』
2002年度から実施されている「総合的な学習の時間」について、斬新的な提案をしている1冊である。同校は、実施にさかのぼること数年前から、先進的にカリキュラム開発を行ってきた。
教科学習、選択学習、教科外学習からなるカリキュラムではあるが、その中で、新しい科目の創設、個に応じた学習、体験学習と生き方の問題、学び方の学習など、近年クローズアップされている問題を取り扱っているので、非常に興味深く読むことができる。しかも、実践事例が豊富で整理がなされているので、数多くの類書よりもわかりやすく、一人よがりの提案にはなっていない。
教科担任制という体制の中で、カリキュラム開発が遅れている中学校にとって、それを打開するために参考となる1冊である。また本書から、総合的学習の「学びの質」を読み取ることができれば、近年の学力低下問題で言われている「学力」がいかに表面的な議論に終始しているか、ということが非常に良くわかるだろう。