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決断と誤断―国際交渉における人と名言

『近代・現代日本にまつわる外交に関連した51のエピソード』
日本の開国とペリー、からブッシュ大統領(父の方)が来日した際のバーバラ婦人の逸話など、近代日本にまつわる外交に関連した51のエピソードが記されている。近代・現代日本の外交史をひととおり概観し、その背景などを知るには非常に優れた書籍である。
特に現代外交に関連するエピソードは、その生々しさとあいまって、それぞれの事件を立体的に描いている。現代の外交においても参考とできる部分が多くあるだろう。

1.開国・通商・戦勝
 ・日本の開国とペリー
 ・日米修好通商条約調印とハリス
 ・征韓論と大久保利通
 ・条約改正と井上馨
 ・「脱亜論」と福沢諭吉
 ・日清戦争と陸奥宗光
 ・日本外交とお雇い外国人デニソン
 ・日露戦争、ポーツマス会議とこ小村寿太郎
 ・日露戦後の満州問題と伊藤博文
 ・対華二十一カ条要求と加藤高明
 ・日米共同宣言と石井菊次郎
 ・パリ平和会議と日本全権団
 ・ワシントン会議と加藤友三郎
 ・「軟弱外交」と幣原喜重郎

2.進出・孤立・敗戦
 ・東方会議と田中メモランダム
 ・ロンドン海軍軍縮会議と若槻礼次郎
 ・満州事変とスチムソン国務長官
 ・日中戦争と石射猪太郎
 ・独ソ不可侵条約と平沼騏一郎
 ・日ソ中立条約とスターリン
 ・日独伊三国同盟と松岡洋右
 ・日米開戦とハル国務長官
 ・“幻の対ソ工作”と佐藤尚武
 ・太平洋戦争と在米日系人

3.占領・講和・復興
 ・日本占領?昭和天皇とマッカーサー
 ・サンフランシスコ講和条約と吉田茂
 ・日華平和条約とダレス
 ・オーストラリアの反日と西春彦大使夫人
 ・日ソ国交回復と重光葵
 ・日米安保改定と岸信介
 ・戦後日米関係とライシャワー大使
 ・日韓国交正常化と椎名悦三郎
 ・西イリアン問題と山田久就外務次官
 ・国連外交と鶴岡千仭国連大使
 ・インドネシア九・三〇事件と斉藤鎮男大使
 ・沖縄返還と佐藤栄作
 ・日米繊維紛争と田中角栄通産相

4.協調・摩擦・平和
 ・日中国交回復と周恩来
 ・テル・アビブ、ロッド空港事件と都倉栄二大使
 ・第一次石油ショックと特使外交
 ・蒋介石総統の死去と三木首相
 ・日台空路再開と宮澤喜一外相
 ・日航機ハイジャック事件と福田赳夫
 ・日米通商交渉と牛場信彦対外経済相
 ・モスクワオリンピック、ボイコット
 ・日米自動車摩擦とブロック米通商代表
 ・非核三原則とライシャワー発言
 ・大韓航空機撃墜事件と中曽根首相
 ・ブッシュ大統領とバーバラ夫人

一方、題名の「決断」と「誤断」という言葉から期待される、なぜそのような決断を行うことができたのか?、なぜそのような誤断を行ってしまったかのかという点については、あまり考察がなされていない点が物足りなかった。

余談だが、日露戦争の和平に関して兵站が伸び戦争の継続が困難だったにもかかわらず、バイカル博士などの言論を持って世論を扇動した新聞のことが記されていた。ほかにもロンドン条約など、新聞が世論をあおった例が記されていた。新聞がなければ啓蒙されない国民かもしれないが、新聞があることで帰って衆愚・ポピュリズムに政治が導かれてしまっているという日本のマスコミの問題点が明治のころから存在したことが非常に興味深かった。

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