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矩を踰えて―明治法制史断章

『明治初期の罪と罰』
主に明治初、前期の刑法、すなわち、新律綱領(1870),改定律例(1873)および旧刑法(1882 )に焦点をあてた、エッセー集です。
めまぐるしく変遷する刑法や急ピッチで進められる近代化に対応しなければならなかった司法官僚の苦労がしのばれるものもあれば、法条文の制定過程や背景、あるいは実施で生じた問題点が論じられるものもあり、はたまた新資料に着目することで通説に対する異見を述べているものもあります。どの文章も丁寧な筆致で読みやすく書かれています。

明治初期においては、自由恋愛や男色が、刑法上の犯罪であったということ、姦通罪が申告罪でなかったということ、収賄は犯罪であったが贈賄は犯罪ではなかったということ、などは、この本で初めて知りました。

言わずもがなのことですが、仄聞するところ、霞さんは海軍マニアだそうで、名提督山口多聞に関するエッセーは、それがしのばれます。

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